マイホームを建てるときに注意しておきたいのが、その土地の安全性についてです。
最近では突然の地震やゲリラ豪雨による地滑りや地盤沈下なども日本の各地で頻繁に見られるため、ターゲットとなる土地の安全性を知りたいという方も増えてきています。
その土地の安全性を知るうえで欠かせないのが地盤調査と呼ばれるものです。
地盤調査にはどのような種類があるのか、その平均費用について解説していきます。
地盤調査とは
マイホームを持つときに抑えておきたいのが、その土地の強度です。
何トンにもなる重たい家屋を根底から支えてくれるのが地盤でが、最その地盤がボロボロだったり水分を含んでいて弱っていたりすると、ひどいときには家そのものがグラついてしまったり外壁にヒビや亀裂が入ることもあります。
家のかたむきやヒビ割れを修復するのは予想以上に難しく、修復のためには多くのお金がかかることもあります。
家を建ててから「しまった!こんなハズではなかった!」と後悔しないためにおこなうのが地盤調査です。
地盤調査をおこなうことによって、その土地の健康チェックをおこなうことができます。
ちなみに、地盤の良し悪しはぱっと見で判断がつかないことが多いため、きちんとした調査機関に依頼することが重要です。
一時的にはコストがかかりますが、家全体をリフォームしたり、地盤の弱さを理由に転居するリスクを考えれば高いとはいえません。
「最痛い出費」と思わないことが大切です。
地盤調査を受けるメリットとは?
地盤調査を受けるメリットには、
- 地震に強い土地か調査する
- 安心感を買う
などがあります。
それぞれ簡単に紹介していきます。
地震に強い土地か調査する
ひとつめは「地震に強い土地か、そうではない土地か調べることができる」というものです。
最近の日本ではあちらこちらで震度6レベルの地震が勃発しています。
地震大国日本にいると、どんなところに住んでいても安全なところは無いに等しいです。
いずれやって来るであろう巨大地震に備えて、その土地の安全性について知ることはとても重要です。
安心感を買う
またもうひとつのメリットとして「安心してマイホームを建築できる」というものがあります。
土地の良さは実はその道のプロではないと、判断が難しいものです。
三者機関に調査を依頼することによって、その土地の評価をおこなってもらうことができ、「地盤が強い土地」だと言ってもらうことで、不安定な要素もなくなり精神的に落ち着くことができます。
また地盤が弱いことが建築前に判別できれば、より地震に強い土地にするために地盤改良を行うという選択肢ができます。
今では必須となっている地盤調査ですが、調査の結果で「昔は大丈夫だった土地でも今の基準では不十分」とみなされるケースが多くあります。
マイホームを建ててからでは遅いのが地盤調査です。
建てる前に信頼のおける業者に頼むことによって「見えない安心」を買うことができます。
地盤調査の種類
ひと口に地盤調査といっても、色々な手法があります。
具体的なタイプについて確認していきましょう。
資料調査
資料調査とは現地に行かずに、データを見てその土地の有効性をチェックする手法です。
過去の土地の使われ方などを調べながら、現在の土地の良し悪しについて判断していきます。
土地の全体的な形、地図上で見たときの土地の将来性などについてもチェックできるため、相対的な判断ができます。
資料調査だけでは不安が残る場合は、現場に行って周辺の状況をチェックしたり実際に土地に穴をあけて内部の状況を見たりします。
今はデータだけを見て判断することはほとんどありません。
それほど現在では厳しい水準が求められています。
ボーリング調査
費用がかかりますが、正確に土地の地盤をリサーチすることができるのがボーリング調査です。
調べたい土地を深く掘り、土の種類や砂の混じり具合を調べます。
基本的にボーリング調査をおこなうときは通常1カ所ではなく、数か所以上調べ、多くの箇所を調べることによってたとえ広い土地であっても土地全体の性格を正しく知ることができます。
ボーリング調査は精密に調査できる反面、費用がかかるデメリットもあります。大型マンションの建築前におこなわれることが多く、一般の家屋にはあまり適していない手法です。
SWS調査
SWS調査とはスウェーデン・サウンディング調査のことを示しています。
聞き慣れないスウェーデン・サウンディングとは、スウェーデンの鉄道会社が1900年代初めに開発した方法であることに由来しています。
先っぽが細長くなったスクリューを、土地深く押し込んでいくメジャーな方法で、スクリューに一定の負荷をかけ、どのくらい回転していくかを計測していきます。
スウェーデン・サウンディング方式のメリットは、費用がとても安く済むことです。
一方でスクリューの取り扱い方によっては、正確にデータが得られないと不安視する声もあります。
そのためスウェーデン・サウンディングをおこなうときには、付近に崩れそうな山や大きな川がないか、昔はどのような地形をしていたのか周辺の実地調査を組み合わせることもあります。
SWD調査
スウェーデン・サウンディングを今風に進化させた新しい手法です。
こちらもメリットは「安い値段で地盤調査がおこなえる」ということです。
通常のスウェーデン・サウンディングと比べて観測回数が多く、地盤をよりキメ細かく調べることができます。
最近ではこの調査に水位測定をプラスして、液状化しやすい土地ではないか調べることもあります。
費用が高いボーリング調査と比べると、狭い土地でも短時間で調査することができる画期的な手法です。
地盤調査の費用
地盤調査をおこなうときに知っておきたいのが、費用についてです。
一般的なスウェーデン・サウンディング方式で、約10万円~12万円ほどかかり、本格的なボーリング調査をおこなうと約30万円~35万円ほどはかかります。
この数字を聞くと「思ったより負担が高いので、地盤調査はやめておこう」と思う人もいるかもしれません。
しかし、マイホームを建てたあとに地盤が弱かったことが分かっても後は引けません。
長時間地盤の弱いところに重い家が建っていると、重さに耐えきれなくて建物が傾いたり、あちらこちらにヒビ割れが目立つことがあります。
建物の壊れた部分をリフォームしようとすると、最低でも数百万円かかります。地盤調査はどんなに高くても30万円以下で済むため、やっておいたほうが安く済むケースが多々あります。
目先の出費にとらわれるのではなく、10年後も30年後も気持ちよく暮らしていくために、地盤調査は是非おこなって欲しいものです。
地盤調査のいい業者の選び方とは?
地盤調査をおこなうためには、よい業者を見極めることも大切です。
- 見積もりを、気持ちよく依頼できる
- 調査まえに「どんな工事をおこなうのか」説明してくれる
- スケジュールや行程について分かりやすく教えてくれる
業者選びに大切なポイントは、コミュニケーションが十分に取れるかということです。
どんな工事をおこなうのか、その工事の結果が分かるのはどのくらいか、調査にかかる最終的な費用はいくらなのか聞くことができる業者はいい会社といえます。
業者の中には調査に万が一の不備があった場合、その費用を補填してくれるところもあります。
こうしたアフターサービスの強化されている会社は「良心的な会社」といえるでしょう。
反対に調査前の見積もりを出してくれなかったり、調査の方法が曖昧であったりと、担当者と連絡がスムーズに取れない会社は不安要素が高いといえます。
サイトの口コミなども参考にしながら、自分の納得のいく企業を選ぶことも大切ですが、家を建てる場合はその住宅会社が調査会社を派遣してくれることがほとんどです。
住宅会社の営業マンが間に入ってくれるのでスムーズに事が進みます。
中間に入ってもらうことにより仲介料が発生し料金に上乗せがされてしまいますが、手間を考えれば安いといっていいでしょう。
地盤調査まとめ
多くの災害が訪れる日本に住んでいる以上は「災害からの被害をいかに減らすか」は大切な課題です。
これからやって来る災害と適切に向き合うためにも重要なのが地盤調査です。
地盤調査の種類はいろいろな方法があるため、ベストな方法を業者と模索することも大切です。
悔いのない選択をおこなうためにも、ぜひ有意義な地盤調査をおこなって欲しいと思います。
多少の費用は掛かっても大切な家を守るため、又は安心感を買うために必要なことです。
楽しい家づくりが待っていますので、下準備は万端にしておきましょう。