今後一生住み続けるであろう住宅が、欠陥になってもいいなんて考える人は恐らくいません。
このサイトを見ているあなたもそのはずです。
人生の中で一番大きな買い物がマイホームという人がほとんどだと思います。
そんなあなたが後悔しないように、少しでもお手伝いができればと思い書いていきます。
欠陥住宅とは
まず、欠陥住宅の定義をみていきましょう。
欠陥住宅とは、法令等の基準を満たしていない住宅、設計図(意匠図・構造図・設備図・工事仕様書・特記仕様書など)のとおりに施工されていない住宅、安全性・快適性・使用性などの観点から居住等に支障を来たす住宅のことを言います。
このうち、建築した当時は建築関連の法令を満たしていたが、法改正などにより現在は満たさなくなったものは既存不適格と呼び、欠陥住宅には含みません。
また、経年変化による自然劣化(木材の乾燥収縮による狂い・ひび割れや・コンクリートやモルタル仕上げの乾燥収縮によるひび割れなどで軽微なものなど)も、欠陥住宅には含めません。
このように定義されています。
これをざっくりと言うと、「住宅が安全じゃなかったり、快適に過ごせなかったり、使うのが不便で住むのに支障をきたすもの。または、設計図通りに建てられていないもの。」ということになります。
故意に欠陥住宅になったものや、施工ミスによるものなどがありますが、どれも同じ欠陥住宅となります。
ではどのような事例があるのか次の項で見ていきましょう。
欠陥住宅事例
欠陥住宅の報告は数多くありますが、どのような事例があるのか紹介していきますので一緒に確認をしていきましょう。
釘の種類を細いものや釘の間隔を広くする
施工業者の中にはコストを削減するために図面と同じように釘を打つのではなく、細いものや釘と釘の間隔を広く取り施工するところもあります。
このような作業をされると、耐震性や耐風性低くなり、ちょっとした地震や風で家が揺れてしまいます。
最悪、大きな地震や台風が来た時には倒壊の恐れもあります。
一番怖いのが、建てた後では判断が付きにくいところです。
家が倒壊した後ではどうしようもありません。
これは最悪のケースの一つといえるでしょう。
断熱材を省略したり薄いものを使ったりする
断熱効果は家全体をしっかりと覆わないと意味がありません。
これは住宅に携わるものとしてあって当然の知識です。
しかし、中には建ててしまえばわからないと思い、階段下部や収納スペース部分の床や壁に、断熱材を故意に入れないといった事例もあります。
「夏は暑く、冬は寒い家」このように感じる人の中にはこのように断熱材をわざと抜かれているのが原因かもしれません。
断熱材を省くだけではなく、設計図通りの厚みを入れないという事例もあります。
最も安く薄い素材を使ったり、しっかりと敷き詰めずに隙間だらけで施工をされてはたまりません。
繰り返しになりますが、断熱材は屋根、壁、床下の全てを覆わないと意味はないのです。
防水工程の不備
よく耳にする「雨漏りした」という原因はこの防水工程で不備があるからです。
壁には防水シートを貼りますが、下のシートと上のシートをかぶせるようにして行います。
しかし、この工程がしっかり行われていない場合や、サッシ周りなど施工の難易度が高い箇所が雨漏りの原因となります。
壁の防水シートだけではなく、屋根部分の勾配が適切でない場合や、排水の設計や施工に不備がある場合にも雨漏りが起きてしまいます。
雨漏りなどのすぐに分かる欠陥は対処が早くできますが、雨漏りをしていないケースでも壁や天井裏に水が浸入し、内部の木材を腐らせることがあります。
これもどんどん蓄積されていくので、地震などが起こった場合に、耐震性が失われていて倒壊する危険性があります。
基礎工事の手抜き
基礎工事には定められた根入れ(埋め込み)の深さがあります。
べた基礎の場合は12cm以上かつ凍結深度以上、布基礎の場合24cm以上ないといけません。
採掘の手間や廃棄コストを削減するために、しっかりと施工しない場合がありますが、このような手抜きをされると家が傾いたりずれたりします。
最悪の場合は家が地震によって転倒してしまうこともあります。
基礎工事という最初に行う工事を手抜きするような住宅会社は、必ずその後の工程も手抜きをします。
基礎工事が終わった後は確実にチェックをするようにしてください。
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欠陥住宅によるトラブルの防止方法
ではこのような欠陥住宅トラブルに巻き込まれないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
順を追って説明をしていきます。
信頼のできる住宅会社か
第一に信頼のできる住宅会社か確認をする必要があります。
大和ハウスや住友林業といった大手などは価格が高いこともあり安心感があります。
それとは逆に、ローコスト住宅を謳う住宅会社や地域の小さな工務店は注意が必要です。
価格が安いのには安い施工業者を使っているからであったりするからです。
故意に欠陥住宅にするつもりはなくても、施工ミスにより欠陥住宅になってしまうこともあります。
新人が多い業者よりも、ベテランが揃っている業者に施工してもらう方が安心できます。
また、地域の小さなは工務店の場合、経営が上手くいっていない場合だと、施工のコストを削減するために欠陥住宅となることもあります。
それだけではなく、建築途中で倒産したという話も聞いたこともあります。
信頼できるかは住宅会社のサイトを確認することや、年間何棟建てているかなど直接ヒアリングすることも大切です。
工事の監督を自分でも行う
工事現場には必ず責任者がいます。
この施工管理者がいい加減な人だと現場の管理ができず、日程通りに工程が進んでいきません。
納期対応のために欠陥ができてしまうパターンもあります。
どうしても「この人じゃ駄目だ」と判断できるなら、住宅会社に直接連絡をし変更してもらうのも手です。
また、施工管理者だけでは施工する人の意識は高くなりません。
施主である自分たちも現場に足を運ぶ必要もあります。
- 施工現場に頻繁に通い自分で工程を確認する
- 作業者とコミュニケーションを取りたまには差し入れを持っていく
- 施工管理者にしっかりと写真などを撮らせ後で確認できるようにする
これぐらいのことはしておくべきだと私は考えています。
素人だと舐められるといけませんので、「私たちもしっかりと知識を身に着けチェックします」というぐらいの意気込みを、相手に伝えるのも対策の1つです。
悪徳業者は現場に顔を出されるのを嫌がる
欠陥住宅をわざと建てている悪徳業者はとにかく現場に来られるのを嫌がります。
写真を撮るのを拒否してきたりするのはやましいことをしているからです。
もちろん安全面で危険な個所があったりもするので、その点は十分に注意して下さい。
しっかりと施工をしているところは、概ねきれいに整頓されており一人一人の意識が高いです。
施主が来た時には手を止めて、今やっている工程をしっかりと説明をしてくれる職人ほど信頼ができるといってもいいでしょう。
悪徳業者の見極め方
ネットでは「〇〇だから信用できない」といったものを目にしますが、実際にはどのような点に注意したらいいのでしょうか。
確認しておきたいポイントをまとめておきました。
- 社歴が長いか
- 見積もりが詳しく書かれているか
- ネットなどの口コミや評判はいいか
- しっかりとした提案があるか
- 社長のワンマン会社ではないか
- 社屋が綺麗か
- 約束事をしっかりと守れるか
- 連絡がしっかりと取れるか
以上のポイントを踏まえて見極めるようにしましょう。
これは悪徳業者の見極め方であって、欠陥住宅を防ぐという内容とは少し違いますので注意してください。
また、これが全部当てはまるというわけではありません。
あくまでも「確認しておきたいポイント」ということです。
実際には、真面目に家づくりをしている会社がほとんどです。
一部の悪徳業者のせいで、業界全体が疑われるのは悲しいことです。
欠陥住宅まとめ
欠陥住宅によるトラブルは違法建築を立証できないと裁判が長期化したり不利になるケースが多くあります。
これは住宅会社が認めなかった場合のことですが、すぐに解決できるというものではありません。
実費での補修や建て替えを迫られることもあります。
「価格が安い」「デザインがいい」「営業マンの人柄がいい」などだけで決めてはいけません。
- 建築確認申請書
- 工事管理報告書
- 住宅性能証明書
- 住宅性能証明現場審査報告書
このような住宅の情報をしっかりとこちらにも渡してくれるかを確認しておきましょう。
また、住宅金融支援機構の「フラット35」の技術基準をクリアしているかも確認をしておきましょう。
一般的な住宅に比べ高い品質が必要になるので、その基準をクリアしていると安心材料になります。